鹿児島市大龍寺跡石柱

 

瑞雲山大龍寺は、鶴丸移城に伴い廃されたそれまでの島津氏居城、内城(本御内。築城慶長71602)年)の跡に建立されました。現在はノーベル物理学賞を受賞された京都大学名誉博士 赤﨑勇氏の出身校でもある市立大龍小学校です。唯一残る大龍寺の遺構は左手の石塔でしょうか。紀年銘は“八月六日丁●”と読めるように思えることから、南浦文之(元和6930甲辰16201025日)没)のものではなさそうです。(ひのと)の八月六日は、文之に近いところでは寛永20年(丁卯,1643918日)、慶安3年(丁亥,165091日)、明暦元年(丁巳,165595日)・・・・・。その頃の住持の供養塔でしょうか。 鹿児島市大龍寺跡の文之和尚記念碑

中央には東郷元帥の揮毫による“文之和尚記念碑”があります。

下の画像は“蓑懸松跡地”。薩藩名勝志の図版では現在の大龍小学校校門の位置にあったと考えられる山門の左手に当ります。現在の松は1989年の植樹ですが、かつては薩藩名勝志の図版にも描かれ、“蓑掛の松枝寒し てら大坂野雀”の歌も添えられている由緒のあるものでした。三國名勝圖會(国立国会図書館デジタルコレクション)は“是ここに與らずといへども”と断りながら、粟田左大臣在衛のエピソードを偲んでいます。

鹿児島市大龍寺跡の蓑掛松跡地








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