横瀬火砕丘噴出物(Ykp)は開聞崎西岸の海蝕崖を構成する火砕丘(tuff cone/tuff ring)の凝灰角礫岩で、開聞岳テフラ層位Km11の最終段階(Km11c2)に対応する1,500年前頃に穴口付近の海中で活動した火山由来とされています(藤野・小林(1997)[1])。斜方/単斜輝石玄武岩の粗粒層と細粒層の互層構造を大平碆で観察することができます。
大平碆の露頭は、同じく斜方/単斜輝石玄武岩の横瀬溶岩(Ykl)に直接覆われていますが、こちらは開聞岳の側噴火によって流下したと考えられています。穴口、小平碆、黒瀬では、横瀬火砕丘噴出物と横瀬溶岩の間に酸化した赤色のスコリア層が挟在します。横瀬溶岩は874年の貞觀の噴火の噴出物(テフラ層位12)に覆われ、川辺禎久・阪口圭一“開聞岳地域の地質(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター,2005年,地域地質研究報告-5万分の1地質図幅 - 鹿児島(15)第100号)”で採用された横瀬溶岩の試料の二酸化珪素(シリカ)とアルカリ成分の含有量は、こちらからpop-up表示される図に示す比率となっています。
以下の画像は、クリックすれば別角度からの拡大画像が表示されます。
また、花瀬溶岩のような起伏の幅と拡がりには欠けるものの、横瀬溶岩は、大平碆の海岸部で粗い波状を呈しています。
Copyright © All rights reserved.